岐阜県・飛騨地方のお土産として知られる「さるぼぼ」。顔が描かれていないため、少し怖いと感じる方もいるでしょう。なぜ顔がないのか、由来が気になる方も少なくありません。本記事では、さるぼぼの由来が怖いと言われる理由や顔がない理由、色ごとの意味を紹介します。
さるぼぼの由来は怖い?
さるぼぼの由来は怖いという噂もありますが、本来は人を怖がらせるためのものではありません。ここでは、本当にさるぼぼの由来は怖いのかを紹介します。
さるぼぼの原型は奈良時代に伝わった人形
さるぼぼには怖い由来があると思われることもありますが、その原型は約1200年前の奈良時代に中国から伝わった「這子(ほうこ)」や「天児(あまがつ)」 といわれています。這子は這う赤ちゃんをかたどった布製の人形、天児は子供の災厄を身代わりに引き受けるとされた人形です。
当時は貴族社会で子供の無事を願うお守りとして用いられました。恐ろしい伝説や呪いが由来ではなく、子供の成長を見守り、災いを遠ざけたいという願いから受け継がれた人形です。
江戸時代になると庶民の間にも広まった
這子や天児の風習は、江戸時代になると貴族だけでなく民間にも広がっていきました。幼い子供の災いを払うために用いられたほか、娘が嫁入りする際に持たせ、安産や幸せな結婚を願う風習も生まれたとされています。
また、子供の遊び道具として与えながら、健やかな成長を願う意味も込められていました。その後、各地では次第に作られなくなりましたが、飛騨地方では母親や祖母が娘や孫のために作る習慣が残り、現在のさるぼぼへと受け継がれていきました。
さるぼぼの名前は飛騨地方の方言が由来
さるぼぼという名前は、飛騨地方の方言に由来しています。「ぼぼ」は赤ちゃんを意味し、人形の姿が猿の赤ちゃんに似ていたことから、「さる」と合わせてさるぼぼと呼ばれるようになりました。
また、猿を音読みした「エン」を「縁」とかけて良縁や家庭円満を願ったり、「さる」を「去る」とかけて「病が去る」「災いが去る」と願ったりする意味も加わったとされています。
名前からも、怖い存在ではなく幸せを願う縁起物として親しまれてきたことがわかります。
さるぼぼの顔がない理由は?
さるぼぼに顔がない理由には、持ち主の気持ちを映す映し鏡という説と、災難から守る身代わりという説があります。決まった表情がないため、嬉しい時には笑っているように、悲しい時には悲しんでいるように見え、持ち主の心に寄り添う存在と考えられてきました。
また、原型とされる這子や天児が厄除けに使われたことから、さるぼぼも持ち主に降りかかる災いを代わりに引き受ける存在とされ、特定の誰かではなく持ち主自身を表す意味があるともいわれています。
さるぼぼの色の意味
さるぼぼといえば赤色が定番で、良縁や安産、家庭円満などの願いが込められています。現在ではさまざまな色があり、それぞれ異なる意味を持っています。ここでは、赤以外の色に込められた意味を紹介します。
青
青いさるぼぼには、勉強運や合格祈願、仕事運などの意味があるとされています。受験や資格取得を控えている人、仕事での成功を願う人に選ばれやすい色です。新しい環境で頑張る人への贈り物にも向いています。
目標達成に向けて努力している人が、前向きな気持ちを保つためのお守りとして選ぶのもよいでしょう。
黄色
黄色のさるぼぼには、金運や財運、商売繁盛などの願いが込められています。仕事や事業の成功を願う人はもちろん、お金に関する運気を高めたい人にも人気です。自宅や仕事場に飾るお守りとしても選ばれています。
開業や新しい事業を始める人への贈り物など、仕事に関する節目にも選びやすい色です。
ピンク
ピンクのさるぼぼには、恋愛運や良縁、結婚などの意味があるとされています。新しい出会いを願う人や、好きな人との関係を深めたい人におすすめです。恋愛成就や結婚の幸せを願い、友人へ贈るお守りとしても親しまれています。
これから良いご縁に恵まれたい人や、パートナーとの関係を大切にしたい人にも向いています。
緑
緑色のさるぼぼには、健康運や長寿、癒やしなどの意味が込められています。自分の健康を願うだけでなく、家族や大切な人が元気で過ごせるよう願う贈り物にも向いています。両親や祖父母へのお土産にも選びやすい色です。
毎日穏やかに過ごしたい人や、心身の健康を大切にしたい人へのお守りとしても選ばれています。
オレンジ
オレンジ色のさるぼぼには、子宝や友情、旅行運などの意味があるとされています。家族が増えることを願う人や、友人との良い関係を願う人に向いています。旅の安全を願う意味もあり、旅行のお守りとして持つのもよいでしょう。
旅行好きの人へのお土産や、これから遠出をする人への贈り物として選ぶのにも適しています。
紫
紫色のさるぼぼには、出世運や健康運、長寿などの意味が込められています。仕事での成功やさらなる活躍を願う人に選ばれるほか、健康や長寿を願う贈り物にも適しています。複数の願いを込めたい人にもおすすめです。
昇進や転職など仕事の節目を迎える人や、これから新しい挑戦を始める人にも選ばれやすいでしょう。
白
白いさるぼぼには、浄化や安全、子宝などの意味があるとされています。新しい生活を始める時や、気持ちを切り替えたい時のお守りとしても選ばれています。家族の幸せを願う人への贈り物にも向いています。
結婚や出産など人生の新たな節目を迎える人に、幸せを願って贈るのもよいでしょう。
黒
黒いさるぼぼには、魔除けや厄除けなどの意味が込められています。災いや悪いものを遠ざけ、無事に過ごせるよう願うお守りとして選ばれています。厄年を迎えた人や、新しい環境に進む人の贈り物にも向いています。
日々の安全を願いたい人や、災いを避けて穏やかに過ごしたい人にも取り入れやすい色です。
金・銀
金色や銀色のさるぼぼには、財運や才能開花などの意味があるとされています。仕事や勉強、趣味などで力を発揮したい人や、新しいことに挑戦する人におすすめです。華やかさもあり、お祝いや記念の贈り物にも向いています。
目標を達成した人へのお祝いの品や、さらなる飛躍を願うプレゼントとして選ぶのもよいでしょう。
最後に
さるぼぼの由来は怖いと思われることがありますが、安産や健康、良縁など、人の幸せを願って受け継がれてきた縁起物です。顔がないことにも意味があり、色別に異なる願いが込められています。
由来や意味を知ると、さるぼぼを身近に感じられるでしょう。










