梅雨の風物詩として親しまれている「てるてる坊主」ですが、由来を調べると実は怖い話があると耳にすることがあります。なぜ雨がやむことを願って人形を吊るすようになったのでしょうか。
この記事では、てるてる坊主の由来が怖いと言われる理由や、やってはいけないとされることについても詳しく紹介します。
てるてる坊主の由来が怖いって本当?
てるてる坊主は晴天を願う風習ですが、由来には少し怖い話もあります。ここでは、てるてる坊主の由来が怖いと言われる理由や中国に伝わる起源について紹介します。
雨を止められなかったお坊さんが由来という怖い説
てるてる坊主の由来が怖いと言われる理由の一つに、雨を止められなかったお坊さんの伝説があります。昔、長雨に困った殿様が、祈祷によって天気を晴れにできるというお坊さんに雨を止めるよう命じました。
しかし、いくら祈っても雨は止まなかったそうです。怒った殿様はお坊さんの首をはね、その首を白い布で包んで吊るしたところ、翌日には晴れたという話が残されています。現在のてるてる坊主の姿とも重なるため、怖い由来として語られているようです。
ただし、史実として確認された話ではなく、あくまで由来にまつわる俗説の一つです。
てるてる坊主は妖怪だったという説
てるてる坊主が怖いと言われる背景には、日本の妖怪「日和坊(ひよりぼう)」との関係もあります。日和坊は、江戸時代の絵師・鳥山石燕が描いた『今昔画図続百鬼』に登場する、晴天と結びついた妖怪です。
晴れた日に姿を現し、雨の日には姿を見せないとされており、丸い頭をした姿もてるてる坊主を連想させます。また、昭和中期頃まで、てるてる坊主を「日和坊主」と呼ぶ地域もあったとされています。
このことから、晴れを願う風習と日和坊が結び付いた可能性も指摘されていますが、直接の起源と断定されているわけではありません。
童謡「てるてる坊主」の歌詞も怖い
てるてる坊主が怖い印象を持たれる理由には、童謡「てるてる坊主」の歌詞も関係しています。歌の前半には、晴れたらご褒美をあげるという明るい内容が続き、子供向けの親しみやすい童謡に感じられます。
しかし、3番には願いどおりに晴れなかった場合、てるてる坊主の首を切るという意味の表現が登場します。かわいらしい題材とは対照的な少し残酷な内容で、初めて知ると驚く人もいるでしょう。
この歌詞が、雨を止められなかったお坊さんの伝説と重なり、てるてる坊主に怖いイメージを持つ理由の一つとなっています。
てるてる坊主にやってはいけないこと
てるてる坊主には、昔からの風習や言い伝えに基づいて「やってはいけない」とされることがあります。顔を描くタイミングや向き、色などにはそれぞれ意味があるため、晴天を願う際は昔ながらの考え方を知っておくとよいでしょう。
願いが叶う前に顔を描かない
昔ながらの風習では、てるてる坊主は最初から顔を描かず、のっぺらぼうの状態にしておくとされています。顔は晴れて願いが叶ったあとに描き入れ、感謝の気持ちを表すものと考えられてきました。
そのため、伝統的な方法にならうなら、願いを込めている段階では顔を描かないほうがよいでしょう。ただし、現在では子供の工作や飾りとして、作る段階から自由に表情を描くことも一般的です。
あくまで昔から伝わる習わしの一つであり、必ず守らなければならない決まりではありません。
逆さまに吊るさない
晴天を願う場合、てるてる坊主を逆さまにするのは避けたほうがよいとされています。逆さにしたてるてる坊主は「ふれふれ坊主」や「雨雨坊主」などと呼ばれ、晴れではなく雨を降らせてほしいと願う雨乞いの意味になるという言い伝えがあるためです。
通常のてるてる坊主とは願いの意味が反対になるため、遠足や運動会、旅行などの日に晴れてほしい場合には注意しましょう。知らずに逆さまになってしまうこともあるため、晴天祈願として飾る際は向きを確認しておくと安心です。
黒いてるてる坊主を作らない
一般的なてるてる坊主には白い紙や布が使われますが、晴れを願う場合は黒いてるてる坊主を避けたほうがよいという言い伝えがあります。黒いてるてる坊主は、晴天ではなく雨を降らせてほしいと願うものとされ、ふれふれ坊主と同じように雨乞いと結び付けて紹介されることもあります。
そのため、昔ながらの晴天祈願として作る場合には、黒ではなく白い素材を選ぶのが一般的です。ただし、色によって実際の天候が変わるわけではなく、あくまで古くから伝わる風習として覚えておくとよいでしょう。
役目を終えたまま飾り続けない
てるてる坊主は、晴れてほしい日まで願いを込めて飾るものとされているため、役目を終えたあとも長時間そのままにしておくのは避けた方がよいといわれています。昔から、願いが叶ったあとは感謝を表し、一つの役目を終えたものとして扱う風習がありました。
遠足や運動会、旅行などが終わったら取り外し、紙や布など素材に合わせて自治体の分別ルールに従って処分しましょう。昔は川に流したり燃やしたりする風習もありましたが、現在は環境汚染や火災の危険があるため避けるのが適切です。
感謝の気持ちを込めて片づけるとよいでしょう。
てるてる坊主の起源
てるてる坊主の起源には諸説ありますが、有力とされるのが中国の「掃晴娘(そうせいじょう)」に由来する説です。掃晴娘は、長雨を止めて晴天を願うために飾られた紙人形とされています。
この風習が日本へ伝わり、僧侶が天候回復を祈祷していた文化などと結び付き、現在の坊主姿へ変化したと考えられています。日本では江戸時代には晴天を願う風習として広まり、軒先に人形を吊るして天気の回復を願う習慣が定着していきました。
こうした風習が受け継がれ、現在のてるてる坊主につながったとされています。
最後に
てるてる坊主の由来が怖いと言われる一方、晴天を願う風習として長く親しまれてきました。やってはいけないとされることにも昔ながらの意味があります。由来や正しい飾り方を知ったうえで、天気への願いを込めててるてる坊主を楽しんでみてはいかがでしょうか。










